アパレル発注スケジュールの立て方|納期遅れを防ぐ年間管理ガイド

アパレル発注スケジュールの立て方|納期遅れを防ぐ年間管理ガイド COLUMN

「アパレルの発注って、いつ何を手配すればいいのか分からなくて…納期が遅れたらどうしようと毎回不安になります。」「そもそも年間スケジュールってどう立てればいいの?」という声もよく聞きます。

アパレルの発注スケジュールは「企画段階からの逆算」と「季節ごとの流れ」を理解すれば、初心者でも組み立てられます。特に年間での管理を意識することで、納期遅れや資材の手配ミスを防ぎやすくなります。

今回は、アパレル製作における年間発注スケジュールの立て方をわかりやすく解説します。季節ごとの注意点やよくあるトラブル、その対策方法までを網羅し、これからブランド立ち上げや服作りを検討している方にとっての実践ガイドとなる内容をお届けします。

アパレルの発注スケジュール

アパレル業界では、デザインやコンセプトが完成しても、そこから製品が店頭に並ぶまでには長い道のりがあります。その中心にあるのが「発注スケジュール」です。これは単なる発注日を決めるだけでなく、サンプル製作、生地・副資材の調達、縫製工場の手配、納品までのすべての工程を見越して設計されるタイムラインです。

ブランド運営において、このスケジュール管理は命ともいえる存在です。なぜなら、ひとつの遅れが全体の工程に連鎖的な影響を与え、最終的には売上機会の損失に繋がるからです。とくに小規模ブランドでは、1回の失敗が致命的になることもあります。

アパレル業界における年間スケジュールの全体像

アパレルの年間スケジュールは、基本的に「春夏」「秋冬」の大きなシーズンに分けられます。それぞれの立ち上がりに向けて、半年前から準備を進めていくのが一般的です。たとえば、春物は1月〜3月に店頭に並ぶことが多いため、前年の9月頃には発注を終えておく必要があります。

このタイムラグを見誤ると、せっかくの新作もシーズンの終わりに納品されてしまい、在庫として残ってしまう危険があります。だからこそ、年間の商戦スケジュールを見据えた「逆算思考」が求められるのです。

企画から納品までに必要な期間を見積もる

発注スケジュールを正しく組むためには、まず各工程にどれだけの時間がかかるのかを把握する必要があります。企画段階から逆算してスケジュールを構築することで、無理のない進行が可能になります。

たとえば、デザイン決定から仕様書の作成、サンプル製作、修正、資材手配、生産、検品、納品といった流れの中で、それぞれに1週間〜1ヶ月の時間を要するケースもあります。さらに、工場の繁忙期や輸送の遅延など、不測の事態も加味しておく必要があります。

資材手配と工場のキャパシティ確認が鍵

アパレル製品には、表地・裏地・芯地だけでなく、ボタンやファスナーといった副資材が数多く使われます。これらを手配するには、それぞれの仕入先と納期を確認し、同じタイミングで工場に搬入されるよう段取りを組まなければなりません。

また、縫製工場にもキャパシティというものがあり、常に空いているとは限りません。繁忙期には2〜3ヶ月先まで予定が埋まっている場合も多く、早めの相談とスケジュール調整が欠かせません。信頼関係を築き、あらかじめキャパを押さえておくことで、納期遅れのリスクを大きく減らすことができます。

発注スケジュールに潜む落とし穴とその対策

アパレルの発注業務は、細かい配慮と段取りが求められる一方で、少しの油断が致命的なトラブルを生み出すリスクも抱えています。ここでは、発注スケジュールのミスによって起こりがちなトラブルと、それを防ぐための対策を解説します。

資材遅れによる納期遅延

資材の遅延は、発注スケジュールにおける最も頻出かつ重大なトラブルです。とくにファスナーやボタン、芯地などの副資材は、納期直前になって「まだ届いていない」と発覚するケースも少なくありません。

これを防ぐには、資材ごとのリードタイムを事前に把握し、それぞれの納品予定を可視化した管理表を作成するのが有効です。また、各仕入れ先の繁忙期も考慮しながら、少し余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。副資材がそろっていないと、いくらメインの生地が届いていても生産がスタートできないため、段取りの甘さが命取りになります。

デザイン修正によるスケジュールの崩壊

サンプル作成後や生産開始直前に、「やっぱりポケットの形を変えたい」「丈をあと3cm短くしてほしい」といった変更が入ることも珍しくありません。しかし、こうしたデザイン修正は資材手配やパターン修正に影響し、スケジュール全体を大きく狂わせてしまいます。

こうした事態を防ぐためには、仕様書の段階でしっかりとデザインを詰め、企画段階での社内確認を徹底することが重要です。社内で意思決定が曖昧なまま進行してしまうと、後戻りが多発し、その都度コストと納期にしわ寄せが出ます。

繁忙期・閑散期を見越したスケジュール設計

アパレル業界には、はっきりとした繁忙期と閑散期が存在します。これを理解し、スケジュールに活かすことが、スムーズな発注と高品質な製品づくりにつながります。

縫製工場の繁忙期は、アパレルのシーズン立ち上がりと重なります。たとえば、春物生産は年末から1月、秋冬物は夏場に集中する傾向があります。この時期はどの工場も案件を抱えているため、余裕を持った納期設定と、早めの相談が必要です。

あえて閑散期にあたる時期(4月〜5月や10月〜11月)に生産を依頼すれば、比較的柔軟な対応が可能になる場合もあります。年間スケジュールを先回りして計画することで、工場との信頼関係も構築しやすくなります。

小ロット生産ならではのスケジュール課題

これからブランドを立ち上げる人や、企画アイテムが少ない場合には「小ロット生産」が主流となります。しかし、この小ロットならではのスケジュール上の課題も存在します。

縫製工場にとっては、生産量の多い案件を優先したくなるのが実情です。そのため、数十枚〜100枚程度の生産は、どうしても後回しにされるリスクがあります。とくに初取引の場合は、信頼関係も構築できていないため、なおさら優先度は下がりがちです。

この問題を回避するには、「小ロットでも対応してくれる工場」をあらかじめ見つけておくことが重要です。また、企画の段階で生産背景を意識し、工場の都合にも配慮したスケジューリングを行うことで、信頼を得やすくなります。

まとめ|スケジュール管理はブランドの信用を守る力

アパレルブランドにとって、スケジュール管理は「信用」を守るための武器です。どれだけ素晴らしいデザインがあっても、納期に間に合わなければ販売機会を失い、次の展開に繋がりません。また、縫製工場や仕入れ先との信頼関係も、スケジュールを守れるかどうかにかかっています。

だからこそ、スケジュールは商品企画と同じくらい大切に扱うべきです。初めて服作りに挑戦する人こそ、無理のない発注スケジュールを設計し、関係者と密に連携しながら生産を進める姿勢が求められます。

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