広州生地付属市場:使用メリットとリスクのバランスを理解する

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広州生地付属市場の素材利用に伴うリスクと解決策

広州生地付属市場は、その規模及び豊富な商品ラインナップが魅力的で、アパレル生産に多大なメリットをもたらしています。

しかし、その一方で必ず注意しなければならないリスクも存在します。

弊社Kuguluチームとして、過去1万品番、200万枚以上の日本向け商品を生産してきた経験よりこれらのリスクとどのように向き合い、どのように対策を練っているのかをご説明していきたいと思います。

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広州生地付属市場リスク①在庫問題

広州生地付属市場の利用には、多くの利点がありますが、その一方で在庫問題という大きなリスクが存在します。

この問題は、在庫生地を使用しての生産をしている以上、広州市場のみならず他の市場商売でも起こりうる問題となります。

生地の選定からサンプル作製に至るプロセスでは、スワッチ(生地見本)を収集し、検討~決定した上でサンプル用生地(着分)を手配します。

この段階で、選んだ生地の在庫がない場合があります。

よく使われる定番生地であればランニング生産も行われているため、1~2週間待てば手配可能なケースもあります。

しかし、問題は、生地が既に廃盤になっていたり、少なくとも800m/色~と、まとまった数量の注文でないと生産してくれない場合です。

このような在庫問題に対する具体的な解決法は次の通りです。

まず、選定した生地が手配できない場合、その生地と似た性質を持つ他の生地を探します。

広州生地付属市場では数万種類の生地が取り扱われていますので、選択肢は豊富にあります。

ターゲット似寄りの見つけた代替の生地をお客様に提案し使用の可否を確認します。

この際、新たに提案する生地が元のデザイン意図や機能性を損なわないように注意が必要です。

在庫問題は広州生地付属市場の利用に伴う一つの大きなリスクですが、十分な代替生地の選択肢がある事を利用することで解決できることが多くみられます。

広州生地付属市場リスク②色差

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2点目として色差問題が一つの大きなリスクとなります。

これは同じ品番の同じ色版の生地でも、在庫生地の生産ロットごとに生地の色が微妙に異なる場合があることを指します。

この問題は、広州市場の生地において頻繁に起こります。

酷い場合ですと、スワッチ(生地見本)と比較した時に、色番号が違うのではないかと思うほど、全く違う色に変わってしまうこともあります。

これはアパレルで小売をしているお客様にとっては致命的な問題となります。なぜなら、消費者である顧客は特定の色を期待して商品を購入するからです。

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この色差問題への具体的な対策は次のように行います。

まず、各生産ロットの生地を生産前に必ず確認します。

スワッチ(生地見本)とのブレが無いか、サンプル作製時のものとブレが無いか。です。

色差が見られる場合は、画像確認あるいは生地見本の落としを発送するなどその状況をお客様に伝え、進行の可否を確認します。

色差があまりにも大きい場合には、生地を全く新しいものに変更することも検討します。

その際には、新たな生地選定からサンプル作製、お客様への提案までを速やかに行うことで、生産遅延を最小限に抑えることを心がけます。

このように、色差問題は確かに大きなリスクとなりますが、しっかりとした確認と顧客とのコミュニケーションにより、この問題を管理し、解決することが可能です。

広州生地付属市場の利用にあたっては、このようなリスク管理が欠かせません。

広州生地付属市場リスク③その他生地品質問題

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色差や在庫問題以外にも、生地の品質に関する問題が発生します。

品質問題とは、色落ち、穴、キズ、汚れ、飛び込み、糸引き、ネップ、プリント不良、斜行など、様々な問題を指します。

これらの問題は、過去の使用実績がある生地でも、生産ロットが変わると都度発生する可能性があります。

品質問題に対する我々の解決策は、まずは生地購入後に全量検査を行うことです。

全量検査によって、問題のある生地を発見できます。

その後、問題が見つかった場合は、生地屋への返品・交換交渉を行います。

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具体的な例としては、ある場合、生地に穴が見つかったとしましょう。

その場合、その生地は使用できないと判断し、生地屋へ返品を申し出ます。

しかし、生産ロットの問題で時々、生地屋の在庫全てに同様の問題が見つかることもあります。

生地の問題が発生した場合には、我々はお客様と共に新たな代替生地を探すか、あるいは許容範囲を確認します。

許容範囲とは、例えば、小さな穴がいくつかあるが、それらが後ろ身の目立たない位置にある場合には使用しても良いとするなど、お客様との間で確認する品質基準のことを指します。

広州市場の生地付属の使用において、品質問題は避けて通れないリスクではありますが、問題を早期に発見し対処することで、生産遅延を防ぐ事を心がけています。

広州生地付属市場リスク④堅牢度

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4つ目の問題として、生地の堅牢度問題があります。

堅牢度とは、簡単に説明すると生地の色が落ちにくいという特性のことを指し、生地の品質を保証する上で非常に重要な要素となります。

生地の染色が不十分だったり、後処理が不適切だったりすると、生地の色が落ちやすくなり、着用あるいは洗濯時に他の服やカバンなどに色移りが起こったりする可能性があります。

堅牢度の問題は決して軽視することができません。

なぜなら、たとえ販売価格が500円の商品であっても、高級なハイブランドの商品に移染してしまい賠償請求を要求される可能性もあるからです。

解決策としては、まずは生地購入後に堅牢度の検査を行うことです。

具体的には、簡易的ではありますが濃色の生地に白い生地を擦り付けて色移りが起きるかを調べます。

色移りが確認された場合、生地屋あるいは洗い工場に連絡を取り、ソーピングやFIX剤の使用による後加工を依頼します。

例えば、新しく購入した赤色の生地があるとします。

この生地を使用して商品を生産する前に、白色の生地に擦り付けて色移りが起きるかどうかを確認します。

もし色移りが確認できた場合、生地の色落ちが激しい可能性があります。

そこで生地屋に連絡し、再染色やソーピングなどの後処理を依頼します。

再度検査を行い色落ちの程度を確認し、生地の堅牢度が改善されていればそのまま使用することが可能となります。

しかし、中には後加工では改善できない生地も存在します。

そのような場合には、kuguluチームでは生地の変更をお客様に提案させていただき対応策を考えます。

堅牢度の問題は、広州生地付属市場で取引を行う上でのリスクの一つです。

しかし、事前の検査と適切な後処理、場合によっては生地変更の提案により、この問題を解決しお客様のリスクを減らすことが可能となります。

まとめ

広州生地付属市場はその大規模さと豊富な品揃えから、アパレル生産において非常にメリットのある場所です。

しかし、その一方で、生地の在庫問題、色差、品質問題、堅牢度問題など、さまざまなリスクが存在します。

我々はこれらの問題に対して、適切なリスクマネジメントとお客様との密なコミュニケーションを通じて対応しています。

在庫問題では、早期の確認と、代替の生地を提案すること。

色差問題では、ロットごとの色確認~お客様との確認を行うこと。

品質問題では、全量検査と問題点のすり合わせ~品質基準の決定、または代替生地の提案を行うこと。

そして堅牢度問題では、初期の堅牢度検査と必要に応じた後処理、あるいは代替生地の提案を行うことで対応しています。

広州生地付属市場の商品を使用しての生産においてこうした問題は必ず起こりうるものであり、それを理解し、適切な対応を行うことが重要です。

そして、それにはお客様とのコミュニケーションが欠かせません。

問題が発生した場合はすぐにお客様に報告し、最善の対応策を提案することで、共に問題を解決していきます。

我々はこれらのリスクを管理しながら、広州市場生地の利点を享受し、高品質の商品を提供することを目指しています。

それぞれのリスクと対策を理解し、適切にリスクマネジメントを行うことで、はじめて広州市場生地のリスクを最小限に抑え、最大のメリットを享受することが可能となります。

 

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