アパレルの機能テープ 種類一覧|滑り止め・伸縮・耐熱など特徴を紹介

アパレルの機能テープ 種類一覧|滑り止め・伸縮・耐熱など特徴を紹介 COLUMN

「アパレルで使う機能テープってどんな種類があるの?」「滑り止めやストレッチ対応とか聞くけど、実際にどう違うのかわからない…」そんな疑問を持つ方は少なくありません。特にこれから服づくりを始めたい方や、初めて資材を選定するブランド立ち上げ期には、機能テープの選び方で迷うことがよくあります。

この記事では、アパレルで使用される代表的な機能テープの種類と特徴について、用途別にわかりやすく解説します。

機能テープとは?アパレルにおける役割と可能性

機能テープとは?アパレルにおける役割と可能性

服づくりの現場で「機能テープ」という言葉を耳にすることが増えてきた方も多いかもしれません。消臭や防水、滑り止めなど、服に“プラスα”の機能を与える役割を果たすこの資材は、今やスポーツウェアやアウトドアウェアだけでなく、日常着やユニフォームなどにも欠かせない存在になっています。

「機能テープ」とは一言でいえば、特定の機能性を備えたテープ状のアパレル資材のこと。生地と生地の縫い目に貼ったり、裏側に縫い付けたりすることで、衣服に求められる“快適さ”や“実用性”を大きく底上げしてくれるのが最大の魅力です。服の使用シーンや目的に応じて、機能性のあるテープを選び、適切に配置することが、ブランド全体のクオリティを左右するといっても過言ではありません。

特にブランド立ち上げを検討している方にとっては、こうした副資材の知識を持っておくことが、製品の完成度や差別化に大きく影響します。

アパレルで使われる機能テープの種類一覧

現在、一般的にアパレルで活用される機能テープには大きく分けて6種類があります。

  • 消臭テープ

  • リフレクターテープ(再帰反射)

  • 滑り止めテープ

  • 静電気防止テープ

  • ベンチレーションテープ(通気性)

  • シームテープ(防水)

ここからは、それぞれの機能テープがどのような仕組みで役立ち、どんな用途で使われているのかを順番に見ていきましょう。

消臭テープ|汗・加齢臭・蒸れのニオイ対策に

消臭テープは、汗や加齢臭といったニオイを軽減するために使われるテープです。素材の繊維に消臭機能を付加することで、衣服の着用中に発生する不快なニオイを中和してくれます。

主にターゲットとなるのは4つの代表的な臭気成分です。アンモニア(刺激臭)、酢酸(酸っぱいニオイ)、イソ吉草酸(足の蒸れたようなニオイ)、ノネナール(加齢臭)など、ニオイの原因物質に応じて消臭機能が分かれています。

使われるシーンとしては、Tシャツやポロシャツなどのスポーツウェア、アンダーシャツ、さらには帽子の内側など、汗をかきやすい部分に活用されるケースが多いです。衿元や脇、股部分など汗が集中しやすい箇所に取り付けることで、衣服の快適性を大きく高めることが可能になります。

リフレクターテープ|安全性とデザイン性を兼ね備えた反射素材

リフレクターテープ(再帰反射テープ)は、ガラスビーズの反射効果を活用して、光を受けた方向にそのまま反射する性質を持ったテープです。特に夜間の視認性を高める目的で用いられ、作業服やスポーツウェアでは定番の資材となっています。

一般的には、アルミ層の上にガラスビーズを重ねたシルバー色が最も高い輝度を誇ります。蛍光色のオレンジやイエローも存在しますが、やや輝度は劣ります。

夜間の安全確保が求められるアウターやスポーツウェア、シューズなどに活用されるのが一般的ですが、近年ではファッション性を意識してさりげなく取り入れるケースも増えてきています。デザイン的なアクセントにもなり、機能とビジュアルの両立を実現できるのがこのテープの魅力です。

滑り止めテープ|ズレを防ぐための快適な工夫

滑り止めテープは、その名の通り、衣服のズレを防止する目的で使われる機能テープです。特にスラックスやスカートの腰裏部分など、衣服のずり落ちを防ぐために使われています。

滑り止め素材には主にシリコーンが使用され、さらには帝人フロンティアの「ナノフロント」のような特殊素材を織り込んだ製品も人気です。シャツやトップスがずり上がらないようにするために、ベアトップの胸元の内側や、オフショルダーの肩に掛かる内側部分などでも活躍します。

これにより、服を着用したときの不快なズレや着崩れを軽減し、見た目の美しさと着心地を両立させることが可能になります。

静電気防止テープ|摩擦やまとわり付きの不快感を解消

静電気防止テープは、摩擦によって発生する不快な静電気を軽減するためのテープです。ポリエステルなど乾燥しやすい化学繊維を使用した衣服では、摩擦によって体内に溜まった電気が“パチッ”と放電することがありますが、それを抑制するのがこの資材の役割です。

このテープには導電糸や除電機能糸が使われており、静電気の発生を抑えることで、花粉やホコリの付着も軽減するという副次的な効果も期待できます。

使用される場面としては、動作の多いワーキングウエアやスポーツウエア、ゴルフウエアなど。具体的には袖口や裾、スカートの裾の裏地など、摩擦やまとわり付きが起こりやすい部分に使われます。衣服を快適に保つための「見えない工夫」が、このテープに込められているのです。

ベンチレーションテープ|通気性を高めて快適さをキープ

ベンチレーションテープは「風通し」を意識した機能テープで、衣服内のムレを防ぐために通気口として活用されます。蒸れやすい場面や、体温調整が必要な環境下で大きな効果を発揮します。

このテープは一般的にメッシュ素材を用い、両側が開いたタイプや、片側だけが開いて通気性を確保できるものなど、仕様のバリエーションも豊富です。パンチング仕様や切り替え仕様としてデザイン面でもアクセントになり、実用性と意匠性を同時に叶えてくれます。

アウトドア用アウターやスポーツウェア、レインウェアなどに多く採用されており、肘や脇下、背中など、汗や熱がこもりやすい部分に配置することで、衣服全体の快適性が格段に向上します。通気性という機能を、ファッションの中に自然に溶け込ませることができる点でも注目されています。

シームテープ|防水・補強・伸び止めの三役をこなす万能資材

シームテープは、衣服の縫い目から水分が浸入するのを防ぐために用いられる、防水タイプの機能テープです。とくにレインコートやスキーウエア、登山用ジャケットなど、水を防ぐ必要のある衣服には欠かせない存在です。

構造としては、2層タイプ(TPU+PU)や、3層タイプ(さらにトリコット生地を加えた構造)が多く、柔らかくてしなやかな風合いを実現しながらも、しっかりと防水性・耐久性を発揮します。薄いフィルムタイプであれば、表にも裏にも存在感を出さずに使用できるため、デザイン性を損なわず機能を取り入れられます。

また、防水だけでなく、縫い目の補強や伸び止めの役割を持たせることも可能。特に、耐久性を高めたい衣服では非常に重宝されるテープです。

機能テープの効果的な使い方とは?

機能テープは、単に「つければ良い」というものではありません。テープの持つ性質を理解し、どの部位に配置すれば効果的かを判断することが、服作りの成否を大きく左右します。

たとえば、消臭テープであれば、汗をかきやすい脇下や股下部分への配置が一般的ですが、袖ぐりや衿伏せ部分にも使えば補強効果も期待できます。また、リフレクターテープは視認性が重要な夜間用アイテムの背中や裾に、さりげなくあしらえばデザイン性もプラスできます。

滑り止めテープは腰裏やベアトップの内側に、静電気防止テープは袖口やスカート裾に、ベンチレーションテープは運動時に汗がたまりやすい部分に配置。シームテープはもちろん、防水を期待するすべての縫製部に対応可能です。

生地との相性や縫製仕様とのバランスを見ながら、こうした機能テープを戦略的に活用することが、商品全体の質感や使いやすさ、満足度に直結してきます。

アパレルブランド立ち上げを目指す方へ|機能性は“らしさ”を表現する手段になる

これからブランドを立ち上げる人にとって、機能テープは単なる資材ではなく、「自分らしい服づくり」の一部になり得ます。デザインだけでなく、使いやすさや快適さまで考え抜いた服は、ユーザーにとって長く愛される一着となるはずです。

予算やロット数に限りがあるブランド立ち上げ初期だからこそ、細部にこだわることがブランドの独自性を育てるきっかけになります。ぜひ、こうした機能テープの活用も視野に入れながら、理想の服づくりに挑戦してみてください。

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